本学会は、Learning Analyticsに関する
調査・研究・普及啓蒙を目的としています

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教育効果測定の基本コース

レポート:学習分析学会 副理事長 堤宇一
 「教育効果測定の基本コース 2日間編(10/24&25)」を開催いたしました。本コースの講師を担当する堤(以下、筆者という)が、活動をレポートさせていただきます。
■景気と受講ニーズの法則性
本学会で筆者は、3つのセミナーを講師として担当しています。一つは今回レポートさせていただく「教育効果測定」、そして「教育効果測定のためのアンケート設計技術」もう一つが研修設計技術の「インストラクショナルデザイン」です。
教育効果測定(以下、効果測定)とインストラクショナルデザイン(以下、ID)の両セミナーを長年開催し、受講ニーズと景気との間の法則性を感じています。それは、景気が良い時はIDの受講ニーズが増え、反対に景気が悪くなると効果測定の受講ニーズが増えるというものです。企業内での研修開催需要と見直し需要が受講ニーズに変化を生じさせるのでしょうか。
そのため、ここ数年間は、IDセミナーへの受講ニーズの方が効果測定のそれを上回る状況が続いています。そのような状況にもかかわらず、今回7名の方にご参加いただきました。
■産業人教育の変化の兆し
今回、参加者全員が人材育成や研修運営を専業とするプロフェッショナルばかりでした。高い問題意識を持ち学習の科学的アプローチを常日頃から心掛けておられる方々です。そのような方達と効果測定について考え、議論する2日間は、筆者にとって刺激的で素晴らしい時間となりました。特に今回、教育効果を深いレベルで定義できたチームに始めて出会えたことです。10年以上、色々なところで効果測定セミナーを開催してきましたが、初の快挙です。
 本セミナーでは、アイスブレークを兼ねて「教育効果とは何か」についてグループ討議を行います。具体的には、教育効果を示す事象を沢山洗い出し、それら事象に共通する事項から教育効果の定義をまとめるワークです。
 教育の負の効果部分についてまで言及し、「教育効果とは、研修が参加者に与える影響であり、プラスの場合もマイナスの場合もある」と定義したチームがありました。“効果”という言葉に引きずられプラス面のみを述べるのが一般的で、ましてや自分たちが日々行っている研修という主要業務を冷静に評価できるものではありません。流石、意識の高いプロフェッショナルです。過去の参加者等との差を明確に感じさせられた点でした。
 もしプラス面の効果しかなければ、教育効果を測定するニーズは生じないでしょう。残念ながら期待する効果を提供していない研修は数多存在し、場合によっては時間とお金を浪費させる厄介な活動になっていることもあります。そのような現実が教育効果を測定する動機となり、様々なアプローチを試みさせるのでしょう。
 今回のセミナーは、日本の産業人教育が変わり始める息吹を予感した熱い2日間でした。ご参加いただき、熱心に討議いただいた受講者の皆さま、ありがとうございました。
以上
開催日 2017年10月24日(火) 10:00~18:00
開催概要  本コースは、産業人を対象とするトレーニングの効果、測定方法に関する「基礎理論の理解」と「調査計画書の作成方法の習得」を目指します。
 初日は、教育効果測定の基本理論や実施手順、効果を出すための研修設計のポイントを講義、グループ演習を通じて理解していただきます。二日目は、初日の学習内容を実践に活かせるよう3つの事例演習を行います。教育効果測定の調査活動全体の具体的イメージを掴んでいただきます。

【開催日時】
 1日目:2017年10月24日(火) 10:00-18:00  (開場9:30)
 2日目:2017年10月25日(水) 09:30-17:00

【学習項目】
<1日目:教育効果測定の基礎理論>
Ⅰ.教育効果測定の理屈を知る
 1)教育効果測定の実施目的
 2)教育効果の分類
 3)教育効果測定の基本的精神と必要な技術
 4)教育効果測定の実施手順
 ※理解度テスト

Ⅱ.学習目標を明確化する
Ⅲ.学習成果を分類する

<2日目:教育効果測定の調査計画書作成>
Ⅳ.教育効果測定の概要設計書を作る(3演習)
 1)通信教育事例
 2)eラーニング事例
 3)集合研修事例

【参考書籍】
『はじめての教育効果測定‐教育研修の質を高めるために』 ¥3,400(税別)
 堤宇一(編著)、青山征彦(著)、久保田享(著) 日科技連出版社

【写真等記録情報の使用許諾のお願い】
 小会では、広報活動及び会員サービスの向上に活用するため、ビデオ撮影、音声収録、写真撮影、受講アンケートを実施しています。これら映像、音声、画像、コメント(以下、記録情報)は、小会の関わるWebコンテンツ及び紙媒体の配布資料等に活用させていただく可能性があります。
 小会活動へのご参加は、記録情報の活用にご承諾いただけたものとさせていただきます。
学習目標 ■教育効果測定の基本的考え方「教育効果測定の実施目的」「教育効果のレベル」「教育効果測定の実施に必要な技術」「教育効果測定の実施手順」の4点を理解し、教育効果を4つのレベルに分類できるようになる。

■研修設計で鍵となる「学習目標」と「学習成果」について学習し、学習目標の明確化の方法と重要性を説明できるようになる。

■効果測定実施のための概要計画を、事例に当てはめ立案できるようになる。
参加対象者 本コースは、以下に挙げる方々を主たる対象として企画されています。
 ■人材育成に携わり3年以上の経験を有し、自分で研修企画を行っている方。
 ■人材育成に携わり3年以上の経験を有し、研修プログラムを社内導入するための決定権を有する方。
 ■教育ベンダー会社に所属し、研修開発に携わっていらっしゃる方。 
講師 NPO法人学習分析学会 副理事長 堤宇一氏
会場 明治大学 駿河台校舎 紫紺館 S2会議室
千代田区神田小川町3-22-14
https://www.meiji.ac.jp/koyuka/shikonkan/copy_of_shikon.html
定員 12名(※最低開催人数:4名)
開催1週間前までにお申込人数が、最低開催人数に満たない場合は、中止とさせていただきます。 予めご了承ください。
参加費 ■会員:45,000(税込)   ■非会員:50,000(税込)
■再受講(会員&非会員):10,000(税込)
 ※再受講とは、「繰り返し学習」を支援するための制度です。以前受講したセミナーを、さらなる理解を目的に繰り返し受講することをさします。
 ※再受講参加者は、ティーチングアシスタントとして、初学者の参加者の学習サポートにご協力ください。他者の学習をサポートすることで、より深い学びを実現する事ができます。
 ※再受講希望の方は、申込フォームのコメント欄に「再受講」とご入力ください。
支払い方法と領収書発行 ■支払方法:当日会場受付時に現金支払を原則とします。
■領収書発行:領収書をご要望の方は、お申し込みの領収書欄に「宛名」をご入力ください。入力いただきましたお宛名で用意いたします。
キャンセルについて 申込後のキャンセルは、早めにご連絡ください。(連絡先:info@jasla.jp)
開催の5日前より以下のキャンセル料金が発生いたします。なお、キャンセル料に関しては、後日請求となります。
 ・開催5日前~3日前のキャンセル料は、参加料の50%
 ・開催2日前~当日のキャンセル料は、参加料の100%
 ・連絡なしの不参加は、参加料の100%

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