インストラクショナルデザインの基礎コース-研修の企画と改善(開催終了)
レポート:学習分析学会 副理事長 堤宇一
本セミナーの企画&実施を担当いたしました堤が、レポートいたします。
参加者数は12名様でした。今回の参加者の2/3が企業研修のコンテンツ提供者(コンテンツ開発者や講師)の皆さまで、企業の教育担当者は1/3という比率でした。教育提供者サイドの参加者が多く、いつも以上に真剣な場となりました。
■インストラクショナルデザイン(以下、ID)の原理原則の理解が初日の狙い
“研修に企業や組織は何を期待しているのか”という問い掛けへの検討から本研修は、スタートします。参加者の立場や社内ポジションによって、様々な意見が飛び交い、クラス全体が研修を再認識し始めます。そのようなタイミングでIDの基礎理論の紹介へと講義に移り、講義は午前中一杯続きます。午後は午前に学習したID理論を演習に適用しながら、一つ一つ手順を踏み、実施方法を体験していきます。
IDは、研修ゴールの明確化が研修設計の要であるとして最重要視します。学習目標の明確化では、参加者の皆さんは最初四苦八苦しておられましたが、実際にステップバイステップで実施したことで、勘所を掴んでいただいたようです。コツさえつかめば問題ありません、あとは練習あるのみです。
■総合演習で学習内容の理解と実践への橋渡しが2日目の狙い
初日に理論を講義とシンプルな演習を用いて学んでいただきました。2日目は、2つの事例を用いた総合演習を行い研修の開発と改善のコツを掴み実践力を強化します。
総合演習では、「研修設計概要書」と「IDチェックリスト」を用いて進めます。概要書フォームやチェックリストを使用することで、個々人の価値観や好嫌という視点ではなく、IDの観点から研修の問題点を見つけ出しやすくなります。
理論を学ぶのは易しいことですが、それを自分のものにし、自己業務に活用するのは簡単ではありません。自分の業務で用い実践知を蓄積していく必要があります。スタートラインについたという気持ちで、ぜひ実践への第一歩を踏み出していただきたいと思います。
以上
開催日 | 2017年02月23日(木) 9:45~17:30 |
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開催概要 | 研修を設計し、教材やツールを開発し、それをインストラクションするという研修の全業務を行う人材育成担当者は、まず存在しません。それが実情であれば、大学院で身につけるような深い専門知識を習得する必要性は低いと考えられます。必要な能力は、研修企画者&発注者として、理論や事実を基に企画し、指示を行い、専門家からの提案や研修の問題点を合理性を持って検討し、改善アイデアなどを提示する知識や技術です。 本コースは、ID理論の本質的な考え方や鍵を握る事項を掴み、それを実践に適用するスキルの強化に注力して進めます。コース初日は、講義と小演習、全体演習を通してID理論の概要を掴んでいただきます。2日目は、2つのケース演習(研修開発の事例&研修改善の事例)を行い、研修企画や改善の実践力の強化を目指します。 【開催日時】 1日目:2017年2月23日(木) 9:45-17:30 (開場9:20) 2日目:2017年2月24日(金) 9:30-16:00 (開場9:10) 【学習項目】 <1日目:ID理論の基本知識> 1.パフォーマンス向上と研修(研修の効用と限界) 研修の実施目的 パフォーマンスの低減要因 2.インストラクショナルデザイン(ID)の概要 IDの定義と研修設計のシステムアプローチモデル(ADDIEモデル) 研修設計&開発の全体概念モデル ニーズ分析・特定 学習目標の明確化の3要素 学習成果の分類(タキソノミー) 学習者・コンテキスト分析・前提条件 評価(学習目標到達の保証:事後評価テスト、評価の種類) 学習項目の構造化(学習内容の洗出し) 学習目標の系列化(学習の順序)(学習時間の見積り) 指導方略(手段・展開・環境/ガニェの9教授事象) 学習モチベーション(ARCSモデル) <2日目:IDの実践力強化> 3.総合演習(ID理論の活用実践力の強化) 1)研修企画演習:「研修企画概要書」を用いてIDの観点から研修を企画する 「神戸支店を蘇らせろ 会議の活性化施策」 2)研修改善演習:「IDチェックシート」を用いてIDの観点から研修の問題点を探る 「8割の参加者が意識を失う データリテラシー講座」 【参考書籍】 「教材設計マニュアル-独学を支援するために」 鈴木克明著 北大路書房 【写真等記録情報の使用許諾のお願い】 小会では、広報活動及び会員サービスの向上に活用するため、ビデオ撮影、音声収録、写真撮影、受講アンケートを実施しています。これら映像、音声、画像、コメント(以下、記録情報)は、小会の関わるWebコンテンツ及び紙媒体の配布資料等に活用させていただく可能性があります。 小会活動へのご参加は、記録情報の活用にご承諾いただけたものとさせていただきます。 |
学習目標 | 1.与えられた事例に対して、「研修企画概要書」を用いてID理論に則り、最適な研修を企画できるようになる(知的技能)。 2.与えられた事例に対して、「IDチェックシート」を用いてID理論に則り、合理的な改善点や改善策を整理できるようになる(知的技能)。 3.学んだID理論を自分が企画する研修に活用したくなる(態度)。 |
参加対象者 | 本コースは、以下に示す業務経験ならびに業務権限を有した人材育成従事者を想定して開発されています。 ■担当する研修を持ち、自分の権限内業務として改訂活動が行える。 ■教育ベンダーや担当講師に研修の内容や方法に関する指示や依頼、打合せなどを業務として行っている。 ■研修開発を実施した経験を有している。 ■組織内で、現在、人材育成に携わっている。 |
講師 | NPO法人学習分析学会 副理事長 堤宇一氏 |
会場 | 明治大学 駿河台校舎 紫紺館 S2会議室 千代田区神田小川町3-22-14 https://www.meiji.ac.jp/koyuka/shikonkan/copy_of_shikon.html |
定員 | 12名 ※最低催行人数:4名。 開催1週間前までにお申込人数が、最低催行数に満たない場合は、中止とさせていただきます。 予めご了承ください。 |
参加費 | ■会員:40,000(税込) ■非会員:45,000(税込) ■再受講(会員&非会員):10,000(税込) ※再受講とは、「繰り返し学習」を支援するための制度です。以前受講したセミナーを、さらなる理解を目的に繰り返し受講することをさします。 ※再受講参加者は、ティーチングアシスタントとして、初学者の参加者の学習サポートにご協力ください。他者の学習をサポートすることで、より深い学びを実現する事ができます。 ※再受講希望の方は、申込フォームのコメント欄に「再受講」とご入力ください。 |
支払い方法と領収書発行 | ■支払方法:当日会場受付時に現金支払を原則とします。 ■領収書発行:領収書をご要望の方は、お申込みフォームの領収書欄に「領収書の宛名」をご入力ください。入力いただいた“お名前”で用意いたします。 |
キャンセルについて | 申込後のキャンセルは、早めにご連絡ください。 開催の5日前より以下のキャンセル料金が発生いたします。なお、キャンセル料に関しては、後日請求となります。 ・開催5日前~3日前のキャンセル料は、参加料の50% ・開催2日前~当日のキャンセル料は、参加料の100% ・連絡なしの不参加は、参加料の100% |