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インストラクショナル デザイン基礎コース-研修の企画と改善

「インストラクショナル デザイン基礎コース-研修の企画と改善」実施レポート

 

活動レポート:学習分析学会 副理事長 堤宇一

 

 従来、小会が単独開催していた「インストラクショナルデザイン基礎セミナー」を、本年度はアルー社との共同運営で開催させていただきました。単独開催時の受講者属性は、6割以上が教育ベンダーに従事する方々でしたが、今回は教育ベンダーからの参加者はわずか2名様(アルー社からの参加除く)で、7割が企業の人材育成担当者、2割の方が医療従事者という参加者の属性変化が起こりました。早速、アルー社の影響がうかがわれる開催となりました。
 それでは、本セミナーの企画開発&インストラクションを務めました堤が活動内容をレポートいたします。

 

■業務活用を意識した質問の山

 セミナー初日は、インストラクショナルデザイン(以下ID)の基礎理論を学び、それらを簡単な事例に適用し、IDの理屈と研修開発手順を一つ一つ確認していくことを狙いとして企画・設計しています。とてもベーシックな内容にもかかわらず、「学習目標の3要素のうち、どれが最も重視すべき要素か」「前提条件を満たさない学習者が研修に参加してきた場合、どのような打ち手があるのか」「学習目標は複数設定しても良いのか」など参加者の皆さんから実践的な質問を多数いただきました。ご自身の業務や業務活用を意識していることを強く感じる問い掛けでした。
 次々発せられる実践的な質問に回答していると、セミナー進行が終始オセオセとなってしまいました。本セミナーは、定番セミナーとして長く開催していますが、講師として、参画型のワークショップのハンドリングの難しさを今更ながらに痛感した初日でした。

 

■論理力の差がダイレクトに表れる演習内容

 二日目は、IDを実際の場面に適用するための考え方やコツの習得を狙いとして企画・設計しています。そのため、現実に近い状況を模した二つのケース演習を行います。一つは、問題を抱えたある支店を活性化させるために研修開催が検討される事例です。もう一つの演習は、問題のある研修をIDの観点からチェックし改善箇所を洗い出し、改善アイデアを整理します。各事例演習の進行は、グループに分かれ、研修企画案あるいは改善案を作成し、それをプレゼンし、提案内容を採用するかどうかをクラス全体で判定するという流れです。学習時間(ID理論に対する)、題材、作成時間、メンバー数など学習条件に差がないにも関わらず、演習作品は「クラスの70%以上が採用と判定した提案」「誰からも採用されない提案」と明暗がはっきりついた結果となりました。
 チームの論理力(何を前提とし、どのような理由から、どのような結論が導き出すのか、あるいは、されたのかというプロセスを飛躍なく伝える力)の差が、作品完成度や提案内容の妥当性に大きく影響を与えます。IDをはじめとする社会科学の理論を用いるには、十分な論理力の開発が必須条件であることを、今更ながら感じさせられた演習結果でした。

開催日 2019年09月26日(木) 9:30~18:30
開催概要 インストラクショナルデザイン(以下、ID)は、効果的かつ効率的な教育を設計・開発するための方法と理論です。本セミナーは研修企画者&発注者として、ID理論と事実を基に企画し、専門家からの提案や研修の問題点を合理性を持って判断し、改善アイデアなどを検討するための知識と技術を育成します。
セミナー初日は、講義と小演習、全体演習を通してID理論の基本原則を掴みます。
2日目は、2つの事例演習(研修開発の事例演習&研修改善の事例演習)を行い、研修企画や改善の実践ポイントを理解します。多様な演習を通じて、ID理論の本質的な考え方や鍵となるテクニックを掴み、それらを実践に適用するスキルを強化します。
なお、本セミナーは、「学習分析学会」ならびに「アルー社」との共同開催企画として運営いたします。

【開催日時】
 1日目:2019年9月26日(木) 09:30-18:30 (開場9:10)
 2日目:2019年9月27日(金) 09:30-17:00 (開場9:10)

【学習項目】
<1日目:ID理論の基本知識>
 1.パフォーマンス向上と研修(研修の効用と限界)
   研修の実施目的
   パフォーマンスの低減要因

 2.インストラクショナルデザイン(ID)の概要
   IDの定義と研修設計のシステムアプローチモデル(ADDIEモデル)
   研修設計&開発の全体概念モデル
   ニーズ分析・特定
   学習目標の明確化の3要素
   学習成果の分類(タキソノミー)
   学習者・コンテキスト分析・前提条件
   評価(学習目標到達の保証:事後評価テスト、評価の種類)
   学習項目の構造化(学習内容の洗出し)
   学習目標の系列化(学習の順序)(学習時間の見積り)
   指導方略(手段・展開・環境/ガニェの9教授事象)
   学習モチベーション(ARCSモデル)

<2日目:IDの実践力強化>
 3.総合演習(ID理論の活用実践力の強化)
   1)研修企画演習:「研修企画概要書」を用いてIDの観点から研修を企画する
     「神戸支店を蘇らせろ 会議の活性化施策」
   2)研修改善演習:「IDチェックシート」を用いてIDの観点から研修の問題点を探る
     「8割の参加者が意識を失う データリテラシー講座」
※尚、上記事例は予告なく変更される場合がございます。

【参考書籍】
 「教材設計マニュアル-独学を支援するために」 鈴木克明著 北大路書房
 「教育効果測定の実践 企業の実例をひも解く」 堤宇一編著他 日科技連出版社
 ※上記書籍の閲読は、参加の前提条件ではありません。参加前の予習や参加後の復習のための参考書籍としてご紹介しております。

【申込受付の締切】
 ■受付終了:2019年9月19日(木)13:00
 ※ただし、申込人数が定員数に達した場合は、受付終了日時を待たずに受付を締め切ります。

【写真等記録情報の使用許諾のお願い】
 小会ならびにアルー社では、広報活動及びサービスの向上に活用するため、ビデオ撮影、音声収録、写真撮影、受講アンケートを実施しています。これら映像、音声、画像、コメント(以下、記録情報)は、小会およびアルー社のWebサイトや配布資料等に活用させていただく場合がございます。本セミナーへのご参加は、記録情報の活用にご承諾いただけたものとさせていただきます。
学習目標 1.与えられた事例に対して、「研修企画概要書」を用いてID理論に則り、最適な研修を企画できるようになる(知的技能)。
2.与えられた事例に対して、「IDチェックシート」を用いてID理論に則り、合理的な改善点や改善策を整理できるようになる(知的技能)。
3.学んだID理論を自分が企画する研修に活用したくなる(態度)。
参加対象者 本セミナーは、企業内研修に関わる方々を主要対象としており、以下に示す業務経験ならびに業務権限を有していることを想定して開発されています。
以下の3条件を参加の前提条件とします。

◇担当研修を持ち、自分の意思で研修の改訂活動が行える権限を有してる。
◇教育ベンダーや担当講師に研修の内容や方法に関する指示や依頼、打合せなどを自身の業務として行っている。
◇研修開発を実施した経験を有している。 ※集合研修の開発経験ならば、さらに良い。
講師 NPO法人学習分析学会 副理事長 堤宇一氏
会場 アルー株式会社 本社セミナールーム
東京都千代田区九段北一丁目13-5 ヒューリック九段ビル2階
https://www.alue.co.jp/corporate/
定員 15名
※最低催行人数:4名。 開催1週間前までにお申込人数が、最低催行数に満たない場合は、中止とさせていただきます。また、定員になり次第、申込を締切ります。予めご了承ください
参加費 ■会員&非会員:¥70,000―(税別)
※本セミナーの参加費には、学習分析学会の会員・非会員の区分はございません。
支払い方法と領収書発行 お申込みいただいた後、アルー社より順次メールで請求書(PDF版)が送信されます。
請求書の記載内容に従い、お支払いをお願いいたします。
請求書、及び領収書の書面(原本)が必要な場合は、お申し込みフォーム最下部「その他ございましたら、ご記入ください」欄にその旨ご記入ください。
【注】申込は、アルー社申込サイトに画面遷移いたしますので、そちらの申込フォームからお申し込みください。
キャンセルについて キャンセルとは、アルー株式会社が実施する有料公開セミナーのお申し込みにおいて、お申し込みフォーム入力・内容確定・送信後、お申し込み者のご都合によりお申し込みの取り消しをすることをいいます。
アルー社担当者(ヤベ)に書面又はe-mail(info@alue.co.jp)にてご連絡(キャンセルのお申し出)をいただいた時点により、以下の通り取り扱いを定めます。
・セミナー実施日前々日18時以降のご連絡 該当するセミナー参加費用の100%を請求いたします。
・セミナー実施日より14日前の18時以降のご連絡 該当するセミナー参加費用の75%を請求いたします。
・セミナー実施日より30日前の18時以降のご連絡 該当するセミナー参加費用の50%を請求いたします。

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