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調査・研究・普及啓蒙を目的としています

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教育効果測定の基本コース

「教育効果測定の基本セミナー」実施レポート

 

活動レポート:学習分析学会 副理事長 堤宇一

 

9月に開催した「インストラクショナルデザイン基礎セミナー」に続き、「教育効果測定の基本セミナー」もアルー社との共同運営で開催させていただきました。
本セミナーの参加者属性は、インストラクショナルデザイン基礎セミナーの際とは異なり、8割の方が教育ベンダーや企業内研修専門機関で研修企画を専属的に進める方々でした。中には、研修企画力や論理力が十分に開発されていない方もいらっしゃいましたが、概ねセミナー参加の前提条件をクリアされた方々が参加されました。それでは、本セミナーの企画開発&インストラクションを務めました堤が当日の状況をレポートいたします。

 

■教育効果測定活動に対する2つの誤解

セミナー初日は、教育効果測定の基本原理と共にその精神を理解していただくことを狙いとして企画・設計しています。教育効果測定活動に対する大きな誤解は2つあります。一つは、研修実施後に検討するのが教育効果測定であるという誤解です。もう一つは、測定対象の教育効果を定義せずに、測定方法を議論するという誤解です。今回も、その2点を理解していないと思われる発言が、最初の方で散見されました。しかし学習が進行するにつれて誤解から生じる発言は、徐々に現れなくなりました。

 

■明確な学習目標が教育効果測定の要

教育効果測定が妥当な測定活動とならしめるための重要な要件の一つが「明確な学習目標」です。その作成方法を身につけることも初日の重要な学習事項です。学習目標の明確化方法を、インストラクショナルデザインを援用しながら事例演習を複数回行いました。普段の業務で「研修を魅力的に見せるタイトルのつけ方」や「読み手に刺さる言葉の選び方」「他社コンテンツとの差別化のための表現」等には慣れてはいるものの、学習の効果を正確に表現することは参加者全員が苦手で、単純な演習問題に四苦八苦されていました。流行言葉を用い抽象度を高め魅力的に仕上げれば仕上げるほど、学習のゴールが曖昧になり、教育効果測定(調査活動)が不確かな活動になっていくことを実感していただきました。

 

■応用演習では普段の癖が露呈

二日目は、教育効果測定を実際の場面で実施するために「調査の概要計画書」の立案を通じて、考え方やコツの習得を狙いに企画・設計しています。そのため、単純な事例を1つ、現実に近い状況を模した2つのケースを用いて、終日、演習を実施しました。 最初の単純で平易な事例演習では、初日の学習内容の記憶も鮮明で全チーム(3チーム)とも、調査概要計画書を作成することができました。しかし、午後からの実例に近い状況が描かれた事例演習では、その組織が抱えている課題をうまく抽出し、研修で解決可能な範囲を設定することが怪しくなり始めました。午後一のケース演習は、講師のサポートにより全チーム、どうにか調査の概要計画書を書き上げることができました。しかしながら最後の演習では、「描かれている状況の複雑性が一層増した」「演習による疲労の蓄積が最大化した」等によって組織課題をうまく抽出できず、研修が果たすべき効果を明確に設定できないチームが1つ出現しました。組織課題の整理や研修開発の背景確認を行うことなしに、振られたテーマの研修企画が日常業務になっている方々は、事例の全体像や課題を妥当に捉えることができずに困っておられました。普段の業務で培われた思考力の差が如実に表れた瞬間でした。普段から目的をキチンと確認して進めることの重要性と、同時に理論応用に立ちはだかるの壁を強く感じさせられた演習結果でした。

開催日 2019年10月10日(木) 9:30~18:30
開催概要 本セミナーは産業人を対象とするトレーニングの効果、測定方法に関する「基礎理論の理解」と「調査計画書の作成方法の習得」を目指します。
初日は、教育効果測定の基本理論や実施手順、効果を出すための研修設計のポイントを講義、グループ演習を通じて理解していただきます。2日目は、初日の学習内容を実践に活かせるよう3つの事例演習を行います。教育効果測定の調査活動全体の具体的イメージを掴んでいただきます。
本年度(2019年)より、本セミナーは「学習分析学会」と「アルー株式会社」との共同開催として企画&運営いたします。

【開催日時】
 1日目:2019年10月10日(木) 9:30-18:30 (開場9:10)
 2日目:2019年10月11日(金) 9:30-17:20 (開場9:10)

【学習項目】
<1日目:教育効果測定の基礎理論>
Ⅰ.教育効果測定の理屈を知る
 1)教育効果測定の実施目的
 2)教育効果の分類
 3)教育効果測定の基本精神と必要な技術
 4)教育効果測定の実施手順
 ※理解度テスト

Ⅱ.学習目標を明確化する
Ⅲ.学習成果を分類する

<2日目:教育効果測定の調査計画書作成>
Ⅳ.教育効果測定の概要設計書を作る(3演習)
 1)ケース:通信教育
 2)ケース:eラーニング
 3)ケース:集合研修
 ※尚、上記事例は予告なく変更される場合がございます。

【参考書籍】
『はじめての教育効果測定‐教育研修の質を高めるために』 ¥3,400(税別)
 堤宇一(編著)、青山征彦(著)、久保田享(著) 日科技連出版社
 ※上記書籍の閲読は、参加の前提条件ではありません。参加前の予習や参加後の復習のための参考書籍としてご紹介しております。

【申込受付の締切】
■受付終了:2019年10月3日(木)13:00
 ※ただし、申込人数が定員数に達した場合は、受付終了日時を待たずに受付を締め切ります。

【写真等記録情報の使用許諾のお願い】
 小会ならびにアルー社では、広報活動及びサービスの向上に活用するため、ビデオ撮影、音声収録、写真撮影、受講アンケートを実施しています。これら映像、音声、画像、コメント(以下、記録情報)は、小会およびアルー社のWebサイトや配布資料等に活用させていただく場合がございます。本セミナーへのご参加は、記録情報の活用にご承諾いただけたものとさせていただきます。
学習目標 1.教育効果測定の基本的考え方「教育効果測定の実施目的」「教育効果のレベル」「教育効果測定の実施に必要な技術」「教育効果測定の実施手順」の4点を理解し、教育効果を4つのレベルに分類できるようになる(知的技能)。
2.研修設計で鍵となる「学習目標」と「学習成果」について学習し、学習目標の明確化の方法と重要性を説明できるようになる(知的技能)。
3.効果測定実施のための概要計画を、事例に当てはめ立案できるようになる(知的技能)。
参加対象者 本セミナーは、企業内研修に関わる方を主要対象としており、以下の3条件の内一つ以上に該当することを参加の前提条件とします。
◇人材育成に携わり3年以上の経験を有し、自分で研修企画を行っている方。
◇人材育成に携わり3年以上の経験を有し、研修プログラムを社内導入するための決定権を有する方。
◇教育ベンダー会社に所属し、研修開発に携わっていらっしゃる方。
講師 NPO法人学習分析学会 副理事長 堤宇一氏
会場 アルー株式会社 本社セミナールーム
東京都千代田区九段北一丁目13-5 ヒューリック九段ビル2階
https://www.alue.co.jp/corporate/
定員 15名
※最低催行人数:4名。 開催1週間前までにお申込人数が、最低催行数に満たない場合は、中止とさせていただきます。また、定員になり次第、申込を締切ります。予めご了承ください。
参加費 ■会員&非会員:¥70,000―(税別)
※本セミナーの参加費には、学習分析学会の会員・非会員の区分はございません。
支払い方法と領収書発行 お申込みいただいた後、アルー社より順次メールで請求書(PDF版)が送信されます。
請求書の記載内容に従い、お支払いをお願いいたします。
請求書、及び領収書の書面(原本)が必要な場合は、お申し込みフォーム最下部「その他ございましたら、ご記入ください」欄にその旨ご記入ください。
【注】申込は、アルー社申込サイトに画面遷移いたしますので、そちらの申込フォームからお申し込みください。
キャンセルについて キャンセルとは、アルー株式会社が実施する有料公開セミナーのお申し込みにおいて、お申し込みフォーム入力・内容確定・送信後、お申し込み者のご都合によりお申し込みの取り消しをすることをいいます。
アルー社担当者(ヤベ)に書面又はe-mail(info@alue.co.jp)にてご連絡(キャンセルのお申し出)をいただいた時点により、以下の通り取り扱いを定めます。
・セミナー実施日前々日18時以降のご連絡 該当するセミナー参加費用の100%を請求いたします。
・セミナー実施日より14日前の18時以降のご連絡 該当するセミナー参加費用の75%を請求いたします。
・セミナー実施日より30日前の18時以降のご連絡 該当するセミナー参加費用の50%を請求いたします。

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